名古屋学芸大学の学生が考案!
若年層の野菜摂取をサポートする「あいちサラダめし」が
8月31日ローソンで販売!
大手コンビニエンスストアの「ローソン」と地元の学生たちがコラボして新しい「あいちサラダめし」を開発する取り組みも、今回で2回目。プロジェクト始動のきっかけは、ローソンと愛知県庁がタッグを組み、食生活の改善を支援する取り組みをスタートさせたことが始まりでした。愛知県に住む若者の野菜摂取量を増やすため、若い世代がよく利用するコンビニで「あいちサラダめし」を販売することに。よりリアルな意見を取り入れるために、今回はお客さんの層に近い「名古屋学芸大学 管理栄養学部 管理栄養学科」の学生さんと手を組んで、普段野菜の摂取量が少ない人にも喜んでもらえるような「あいちサラダめし」を開発しています。
商品開発に参加したメンバーは、元々ゼミが同じ友人同士。そのためか、座談会と合同で行われた試食会でも、終始和やかな雰囲気で商品のチェックを進めていました。授業と卒業研究の合間を縫って商品開発に取り組んでいるメンバーですが、プロジェクト参加前まで「あいちサラダめし」のことは知らなかったそう。「愛知県に住んでいる人の野菜摂取量向上を目指すプロジェクトということで、少しでも貢献できるメニューを開発したいと思い参加を決めました。」と林さん。愛知県の野菜生産量は全国8位にも関わらず、消費量は少ないことを知り、野菜を摂るきっかけになればと活動を始めました。
商品開発を進めていく中で、一番初めに行ったのはターゲット設定。野菜摂取量が少ないけれど、今回の商品に手を伸ばしやすい人はどのようなタイプかをローソンの中部商品部 安藤さんと具体的に考えました。そして、社会人1年目の20代男性で一人暮らし、普段野菜は食べない「松田光希(まつだこうき)」という架空のキャラクターを設定し、その人物が食べたいと思う「あいちサラダめし」を開発することに。
普段コンビニでお弁当を買っている人たちにどうしたら野菜を食べてもらえるのか話し合い、ガッツリ食べられるお弁当の中に野菜を入れて、加熱して野菜が食べやすくなれば購入してくれるのではないかという結論になりました。
様々なメニューを出し合い、あんかけチャーハンとビビンパに絞りました。サンプルを作って試食会を行ったところ、ビビンパは彩りが鮮やかで、野菜のナムルにしていることで食べやすく、ご飯と混ぜることで野菜のボリュームを隠せることから、ビビンパに決定。
「ビビンパの方があんかけに比べて色合いが良く、ピリ辛なところや味が濃いのが松田さんに合っていると思いました。」と近藤さん。
一目で「あいちサラダめし」だ!とわかってもらえるように、野菜たっぷりのメニューであるのはもちろん、野菜のボリューム感に苦手意識を持たれないように、火を入れてカサを減らしたナムルを入れました。また、前回入っていたマヨネーズではなく、前回とは違う新しさを出すためにピリ辛のドレッシングをチョイス。さらに、肉みそに卵をオンすることで、辛さとまろやかさのバランスを取りました。
「松田光希の設定に近い兄がいるので、兄ならどんなメニューが好きかな…と想像しながら意見を出し合っていきました。」と吉村さん。
元々授業でレシピを考えることがあるみなさんですが、ターゲットを自分たちで設定し、自分の好みではなく、「松田光希」が好む味や量を客観的に想像しながらジャッジしていくのは、非常に大変だったそうです。
「普段授業でレシピを作るときは、スポーツ選手など決められたターゲットに対して最適なメニューを考えることが多いので、自分たちで全て考えて決定していくのは難しかったです。商品開発をする上では、まずターゲットを決めることが必要と気づきました。」と近藤さん。
「自分と好みが違う男性の気持ちを想像して開発していくのは難しく感じることもありましたが、いい経験になりました。」と片岡さん。
また、ターゲットの好みだけでなく、販売の時期や愛知県の人の好みも合わせて考えなくてはいけないので、ミーティング後もどうしたらもっとよくなるのか話し合っていたそうです。単純においしいという点だけではなく、手に取ってもらいやすくするための工夫も大切にしています。
「主観になってしまいがちなところを、時期・季節・温度を考慮して、他の人の目線で考えながら、自分は発売される時期に何を食べていたのか、地域によって異なる好みの特性、愛知県の人が好むスパイシーな味わいも考慮しつつ、商品に入れ込んでいくのが難しかったですが、楽しかったです。」と梶田さん。
ローソンの安藤さんから、パッケージの色味やデザイン、キャッチコピーの付け方やPOPの役割など、消費者により魅力的にうつるポイントを教わりました。試行錯誤しつつ、完成に向かっている「あいちサラダめし」。
学生たちは、自分たちのアイデアが商品として目に見える形になることに今まで感じた事のない喜びがあると言います。「メニュー開発に関する様々な意見をチームで出し合うことで、個人では思いつかないことも多く、視野が広がりました。」と淺野さん。
「メニュー開発を通して、実際に色々な店舗に足を運んで、気づいたことを共有していくうちに、打ち合わせでも徐々に意見が飛び交うようになりました。プロジェクトに参加したことで学生のみなさんの変化を実感しました。」とローソンの安藤さんは話します。
キャラクターを設定し、ライフスタイルや好みを想像しながらメニューをつくるのは、管理栄養士の資格を取るために勉強をしている学生さんたちにとって貴重な経験になったはずです。
左から 淺野さん/梶田さん/林さん/片岡さん/吉村さん/近藤さん/ローソン中部商品部 安藤さん
学生のアイデアがいっぱい詰まったサラダめしは、まもなく完成!できあがりが楽しみですね。